肥後六花について
肥後(熊本)は、古くから園芸が盛んで植物の品種改良、保存が続けられてきました。その代表的なものが「肥後六花」と呼ばれる、肥後ギク、肥後花ショウブ、肥後サザンカ、肥後アサガオ、肥後シャクヤク、肥後ツバキの六品目です。
寛永九年(1631年)、加藤家に変わり、細川家が肥後藩主となりました。第八代藩主の細川重賢や、第十二代の細川斉護公などが強く園芸を推奨し、藩士などを中心に「花連」と呼ばれる園芸団体が誕生しました。「花連」は、「武を尊び、植物を愛する」武士の集まりであり、実に厳しい規約を持ち、品種保存改良や育種にも一つの目的をもって、肥後独特の純粋種を作り出したのが「肥後六花」です。「肥後六花」は、花芯が大きく、花形が整い、花色が冴え、一重(ひとえ)、一文字、大輪の花を理想としています。
現在は、各品目ごとの保存会により、品種改良、保存、展示会などが行われています。
肥後シャクヤク(花期4月下〜5月上旬)
肥後花ショウブ(花期6月)
肥後アサガオ(花期7、9月)
肥後ギク(花期11月)
肥後サザンカ(花期11月中旬)
熊本各地にある花の美しい場所について、各地域ごとに代表的な所を紹介しています。県内各地ここに紹介されている場所以外にたくさんの花の美しい場所がありますので、一度隠れた名所を探しに出かけて見てはいかがでしょうか?
熊本地域
■ 熊本城 桜 (熊本市)
天守閣からは市街地を一望できます。また、熊本城は桜の名所としても有名で、多くの人々が花見を楽しみます。
■ 水前寺公園
東海道五十三次を模して作られた、桃山式の回遊式庭園で、正式には「水前寺成趣園(じょうじゅえん)」と呼びます。阿蘇の伏流水が湧き出ているため水量が豊富で、四季折々の景観を楽しめます。春は、花見客でにぎわいます。
■ 千葉城町 ツツジ (NHK熊本放送局)
4月中旬〜下旬が見頃。遠目にも鮮やかに約400本のツツジが咲き乱れる
■ 白川河畔(鶴田公園) 桜
3月下旬〜4月上旬が見頃。約1.5qにわたる桜並木
■ 小荻園 ツツジ
3月下旬〜4月上旬が見頃。金峰山県立公園内にありヤマザクラの名所として知られる
■ 自衛隊通り ツツジ
3月下旬〜4月上旬が見頃。約1.5qにわたる桜並木
宇城地域
■ 三角町戸馳花の学校「みすみフラワーアイランド」(宇城市三角町)洋ラン
不知火海に浮かぶ面積7平方キロメートルの戸馳島にある花の学校です。胡蝶蘭をはじめとする色とりどりの蘭の花が咲いています。戸馳島では、「五蘭塾」という組織が、洋ランの生産を行っています。オンシジウム、デンファレ、エピデンドラム、コチョウランなど様々な種類の洋ランが全国へ出荷されています。
■ 住吉自然公園 アジサイ(宇土市)
6月中旬頃には約2,000本のアジサイが咲き誇り公園内を彩ります。
玉名地域
■ 高瀬裏川の花ショウブ(玉名市)
6月には「高瀬裏川花しょうぶまつり」が開催される。 6月には「高瀬裏川花しょうぶまつり」が開催される。高瀬裏川には、玉名市花「肥後しょうぶ」65,000本が群生し、下流の高瀬目鏡橋を始め、江戸時代からの石橋が景観を色付け、開花時期にはライトアップが行われています。
■ 山田神社のフジ(玉名市)
推定樹齢200年。開花時期にはライトアップされ、1m以上になる花房があたりに芳香を漂わせる。
鹿本地域
■ 日輪寺 つつじ(山鹿市)
つつじの名所。鎌倉末期に菊池武時が再興したと言われる由緒ある寺。更に江戸時代、吉良邸に打ち入りした「赤穂義士」にも所縁ある寺。「遺髪塔」がここにある。
■ 田原坂公園 つつじ、桜(植木町)
「西南の役」の激戦地であった田原坂公園は、ツツジや桜の名所としても知られています。公園内には、慰霊塔、資料館、展望台などがあります。
菊池地域
■ 菊池神社の桜 (菊池市)
(見頃は4月上旬)南北朝時代に、南朝方で活躍した菊池武時公、武重公、武光公の三柱を祀っています。桜の名所としても有名で、境内には菊池氏ゆかりの文化財を展示する歴史館もあります。
■ 熊本県農業公園・カントリーパーク (合志市)
子供たちの農業や食の体験等を通した農業理解の促進、JA植木まつり、農業フェア等のイベント開催による消費者と生産者の交流の場の提供を行なっています。
また、園内には広大な芝生広場と135種類3000本のバラ園があり、春と秋には「バラまつり」が開催されます。
肥後六花の肥後つばき、肥後さざんか、肥後しょうぶ等も見ることができます。
■ 菊人形菊まつり (菊池市)
菊池の市花である「菊」にスポットをあて、菊池一族をモデルにした菊人形や花数千鉢が所せましと並ぶ。例年11月に行われる。南北朝時代菊池一族が奮戦した『太刀洗の場』や『袖ヶ浦の決断』などの場面を菊の武者姿で再現したり、色とりどりの大輪菊の鉢植え・懸崖・盆栽・小菊など約3,000点が展示され菊池の秋を彩っています。
■ 昭和園 ツツジ (大津町)
4月中旬〜下旬が見頃。開花時にあわせて開催される「つつじ祭」は町の一大イベントとなっています。
阿蘇地域
■ 仙酔峡のミヤマキリシマ(阿蘇市一の宮町)
5月中旬が見頃、約5万本の自生ミヤマキリシマが一斉に花を咲かせ、その美しさから 「花に仙人が酔うほど美しい峡谷」という意味が名付けに込められています。
■ ヒゴタイ(産山村)
山地のやや乾いた草原に生える多年草です。開花期は8〜9月で、茎は太く、高さ1m前後まで成長します。羽状に裂け、縁は短いトゲが生えています。また、葉の裏側は茎と同じように綿毛が生えて純白色をしています。産山村には「ヒゴタイ公園」が整備されています。
■ はな阿蘇美 バラ (阿蘇市阿蘇町)
メイン施設のドーム型温室ではイングリッシュローズを中心に世界のバラ550種を鑑賞できます。さまざまなバラが年間を通じて楽しめます。一年を通じて世界のバラが楽しめるドーム型の温室、薬膳料理。とうふ作り体験もできます。
■ 県の花 りんどう(阿蘇地方)
阿蘇の草原に紫色の可憐な花を咲かせるリンドウ。NHKが全国的に「郷土の花」を選定した際に選ばれました。県内各地の山野の草地に自生し、やや湿ったところに生える二年草です。
■ 一心行の大桜 (南阿蘇村白水)
樹齢400年といわれる桜の老木。胴回り7.35m、樹高14m、枝の差し渡し30mにも及ぶ。開花情報がニュースで流れるほどの人気。4月中旬が見頃
■ スズランの自生地 (阿蘇市波野)
波野高原がスズランの南限だといわれています。5月には甘い香りが漂わせ、可憐な花を咲かせます。
■ 高森峠の千本桜 (高森町)
九十九曲りの6,000本の桜は4月中旬〜下旬が見頃。
上益城地域
■ 麻生原のキンモクセイ (甲佐町)
波野高原がスズランの南限だといわれています。5月には甘い香りが漂わせ、可憐な花を咲かせます。
八代地域
■ 松濱軒 肥後花しょうぶ(八代市)
松井家の邸宅。3代直之が生母のために建てた茶室で、別名を浜のお茶屋という。庭園は四季折々の花が咲き乱れ、特に肥後花しょうぶは有名。正門脇には松井家代々の文化財を転じする松井文庫がある。
芦北地域
■ 湯の児海岸道路「チェリーライン」 桜 (水俣市)
海岸沿いに温泉街がある。海岸線に美しく立ち並ぶ桜の木々は、毎年春になると観光客の目を喜ばせています。
球磨地域
■ 市房ダム 桜 噴水(水上村)
桜の名所。一万本の桜のトンネルが市房ダムを囲む。昭和35年に建設された「市房ダム」の周囲に、1万本の桜を植えたことがきっかけで、「桜の里づくり」がスタートしました。ダム湖周辺はソメイヨシノが主に植えてありますが、ほかにも桜図鑑園、桜オーナーの森などに多くの種類の桜があります。ダム内には有料で噴水を上げてもらえるサービスもあります。
■ 人吉梅園(人吉市)
約5,000本の紅白の梅が咲き誇ると、あたりは、高い香気に包まれます。2月下旬から3月上旬には梅まつり、5月下旬には梅狩りが行われます。
■ しゃくなげ公園(水上村)
約2,000本の自生のしゃくなげが4月の下旬から5月上旬まで咲き誇ります。
■ リュウキンカ (あさぎり町免田)
花の茎が立って金色の花を咲かせることから、リュウキンカと名付けられたという。免田に自生するものが南限だと言われている。
天草地域
■ スイセン公園 (天草市牛深)
遠見山山頂一帯に、約35万株の水仙が植えられた公園。西欧種の水仙(19種4万株)も植えられており、1月から4月上旬頃までは次々と違った種の水仙が競い合って咲き乱る。
■ 西平椿公園
(天草市天草町)
およそ2万本のヤブ椿が山の斜面を覆い、毎年2〜3月には開花している。世界の椿150種を集めた展示園もある。見ごろとなる毎年3月の第1日曜日には祭も開かれている。
■ サザンカロード (天草市河浦町)
通称サザンカロードと呼ばれている国道266号線沿いのサザンカ並木は全長7kmもあり、毎年12月〜2月のシーズンになると道路の両側を美しい紅色に染めあげます。
■ ハマジンチョウ群落地 (苓北町)
1月から3月にかけて花をつけるハマジンチョウは、富岡巴崎の2ヶ所に分布して群生。海水に浸り、しぶきがかかる浜辺に生息しています。約1.5km細長く伸びた富岡巴崎は別名、小天橋とも言われ、その景観は見事です。